白い花で花占いを
男性:マーガレット
男性:白い花
男性:一面の花々
男性:ひとつのベンチ
男性:たたずむ女性
女性:「どうすれば、伝わるの?この想い…」
女性:そう、言いながら、
女性:花びらを一枚ずつ取っていく…
(少し間をあける)
男性:「こんばんは」
男性:「よくお会いしますね」
女性:「…ほんとに…」
男性:「座っても?」
女性:「…どうぞ…」
女性:夜
女性:晴れていて、空気も澄んでいる
女性:満点の星空
女性:浮かぶ三日月
女性:3人掛けのベンチ
女性:まんなかをあけて、二人…
男性:「ここは、落ち着きますね」
男性:「気持ちが楽になります」
女性:「確かに、そうですね」
男性:「そして、ここは、なんでも赦(ゆる)される」
女性:「……」
男性:「良いんですよ」
女性:「えっ?」
男性:「ここには、あなたの障害になるものは何もない」
男性:「あなたを悩ませるものは何も」
男性:「ここには、僕と、あなたしかいませんから」
女性:「……ずるいです…」
男性:「えっ?」
女性:「ここには、私とあなたしかいないのに」
女性:「それなのに…」
女性:「あなたは、ここでもなにも、言ってくれないから…」
男性:「…そんなことないですよ」
男性:「こうやって話をしているじゃないですか」
女性:「そういうことじゃないんです」
女性:「あなたが、何を考えているのか」
女性:「何を、思っているのか」
女性:「誰を、想っているのか」
女性:「私には、わからない…」
男性:「…なるほど…(苦笑)」
男性:「そう…ですね…(苦笑)」
女性:「ほら…言ってくれない…」
男性:「……」
女性:「あなたは、きっと、私のことなんか、どうも思っていないのでしょう?」
男性:「…そんなこと…」
女性:「あなたには、他に想っている人がいるから…」
男性:「あなたは、優しい人です…」
女性:「私は、あなたが好き…」
女性:「だけど、私は…」
女性:「あなたに、想いを伝えることが出来ない…」
女性:「でも…」
女性:「やっぱり、女性: あなたのことが、好き…」
女性:「想いを隠すことは出来るけれど」
女性:「苦しいの…」
女性:「……とても…とても……」
男性:「…伝えたら、いいんですよ」
女性:「えっ?」
男性:「そのまま、その気持ちを伝えたらいいんです」
男性:「今の僕は、あなたなんです」
男性:「あなたの、気持ち」
男性:「あなたの、不安」
男性:「あなたの、想い」
男性:「そのすべてが、ここにあるんです」
女性:「でも…」
男性:「そうですね」
男性:「あなたは、想いを伝えるのが得意ではないですからね」
女性:「……」
男性:「でも、大丈夫ですよ」
男性:「あなたは、優しい人です」
男性:「僕は、それを知っています」
女性:「…そうですね」
女性:「あなたは、私にいつも『優しい』と言ってくれますから」
女性:「私も、私の言葉で…」
女性:「あなたへ、想いを伝えます」
女性:「…聞いてくれますか?」
男性:「もちろん」
女性:『星が綺麗ですね』
男性:『月も綺麗ですよ』
男性:「…きっと、伝わります」
男性:「僕は、あなただから」
女性:マーガレット
女性:白い花
女性:花占いに使われる
女性:花言葉は
女性:真実の愛
女性:誠実な心
(『想いは花とともに』へ続く)
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