不器用な2人の恋愛模様

~彼氏と彼女がカフェに行くまで~


【詳細】

 このお話は~素直になれない自分を嫌う~に続くお話です。

 元々は別々に書いていたお話ですが、何となくで繋がりのあるお話になったものです。

 男女サシ劇

 時間目安 10~15分程度

 作:くろろこ



【あらすじ】

 ある日のカップルのお話。


【登場人物】

 男性:彼女のことが好き。マイペースな性格

 女性:彼氏のことが好き。素直になれない性格


 ※どちらも〇〇のところは、演じる方のお名前を入れるか、二人称に変更して読んでください。


以下、本文



男性:「あ、〇〇。」

女性:「うん。」

男性:「…あ、え、もしかして…待った?」

女性:「ううん、全然」

男性:「本当に?」

女性:「ほんとだよ。今来たとこ」

男性:「それなら、良いけど」

女性:「(笑)うん」

男性:「ん?どうしたの?」

女性:「いや、普通は、逆かなぁって(笑)」

男性:「ん?逆?」

女性:「あー…ううん。なんでもない(笑)」

男性:「んー…?」

女性:「はいはい、いいのいいの。それより、今日はどこ行くの?」

男性:「…ん?えーと…なんにも考えてない(笑)」

女性:「(笑)知ってる」

男性:「…ですよねぇ…(笑)」


男性:「……あ、この前、話してたカフェはどう?

   『ここ、雰囲気良さそう』…って言ってたとこ。

    そこでのんびりしない?」

女性:「あー…うん(笑)じゃあ、そこ行こ」

男性:「え?いいの?〇〇は、どこか行きたいとこ、なかったの?」

女性:「(笑)別に、ないよ」

男性:「え?じゃあ、なんで、ちょっと笑ってるのさ?」

女性:「だって、〇〇、いつものんびりしてるじゃん(笑)」

男性:「いやぁ、そうだけど(笑)」

女性:「…それに…場所はどこでもいいんだよ。

    〇〇と一緒なら、どこでも楽しいと思うから(笑)」

男性:「えー、なにそれ?…ただただ、照れるやつ…

    僕も、そう思うけど…(照)」

女性:「あ、照れてる(笑)

    やっぱり〇〇は、かわいいなぁ(笑)」

男性:「ちょっと!(笑)

    えー…っと…(照)それ、ほんと…返答に困るやつだから!

    もうっ!ほら!カフェ、行くよ!」

女性:「(笑)はいはい」


男性:僕たちは、歩き出した。

男性:いつも、こんな感じ。

男性:ちゃんと予定を立てたことは、ほとんどない。

男性:…と、いうことにしている。


男性:本当は、彼女に会う前に、

男性:どこに行こうか?とか、

男性:何をしようか?とか、

男性:いつも、いくつかのプランを、考えている。

男性:でも、それを知られるのが、

男性:なんだか、気恥ずかしくて、

男性:とっさに、思いついたフリをしている。

男性:〇〇に会える事が、本当に嬉しくて…。

男性:でも、この想いが一方的だったら、

男性:…なんて、思うと…

男性:つい、誤魔化してしまう。

男性:ちゃんと、まっすぐに、

男性:この想いが伝えられるといいんだけど…


女性:(ため息)はぁ~

女性:〇〇は、本当に、かわいいなぁ。

女性:きっと今日も、私のことを考えて、

女性:予定、立ててくれてるんだろうなぁ。

女性:…毎回、なんにも考えてないって、

女性:言ってるけど、

女性:ウソついてるの、バレバレだから(笑)

女性:ほーんと、わかりやすいんだよなぁ(笑)


女性:…ついつい、にやけてしまう。

女性:〇〇の想いが伝わってくるから、

女性:嬉しくなってしまう。

女性:…でも、〇〇は、自分のことを、

女性:後回しにしすぎてるところがあるから、

女性:時々、とても心配になる。

女性:きっと自覚ないんだろうなぁ…って、思うし。

女性:そんな彼だから、ほっとけなくなる。

女性:私が、見ていてあげないとなぁって、思う。


(少し、間をあける)


男性:……… 

男性:「あっ、〇〇?」

女性:「ん?どうしたの?」

男性:「ここの文房具屋さん、寄ってもいい?」

女性:「いいけど。何か買うの?」

男性:「あー…万年筆が欲しくてさ」

女性:「万年筆?」

男性:「うん。…なんかかっこよくない?」

女性:「いや、意味が分からないんだけど」

男性:「持ってたら、頭良く見えるかなぁって。

    作家さんっぽく、見えるかなぁって」


女性:………

女性:…これは、なにも考えてないやつだな(笑)

女性:自由な時は、本当に、自由だからなぁ…

女性:そこも、見といてあげなきゃなんだよなぁ。


男性:「んー…種類がいっぱいあるなぁ」

女性:「そうだねぇ…」

男性:「かっこいいのがいいなぁ…♪」

女性:「(呆れている)かっこいいってなによ…」

男性:「かっこいいは、かっこいいだよー」

男性:………

男性:「あ、これにしよ!」


女性:彼が選んだのは、

女性:一見、万年筆には見えない、

女性:カジュアルなデザインのものだった。


女性:「それ、見た感じ、

女性: ボールペンにしか見えないけど、いいの?」

男性:「あ、たしかに!(笑)

    でも、これが良い。これ買う」

女性:「まぁ、〇〇が良いって言うならいいけど」

男性:「うん、買ってくるね」


女性:彼は、万年筆を持って、レジに向かった。

女性:後ろ姿だけでも、欲しかったものが買えるっていう

女性:嬉しさが、にじみ出ている。


女性:(笑)…ほんと、わかりやすいなぁ…

女性:…ふと、目をやると、彼の万年筆の、

女性:色違いがあった。

女性:………


男性:僕が、万年筆を買ったあと、

男性:〇〇も、何か買っているようだった。


女性:「お待たせ」

男性:「ううん。全然。…じゃあ、行こっか」

女性:「うん」


男性:「ちなみに、〇〇は、なに買ったの?」 

女性:「あー……万年筆」

男性:「え…?」

女性:「いや、〇〇が買ってるの見たら、

    私も欲しくなっちゃって

    色違いあったから、買っちゃった。

    …ほら、カフェ行かなきゃ、混んできちゃうよ」

男性:「いやぁ…」

女性:「ん?どうかした?」

男性:「えーと…お揃い…ですね(照笑)」

女性:「あー…そうだね。」

男性:「いやぁ…嬉しい。」

女性:「…そう?それなら良かったです」

男性:「あれ?僕だけ浮かれてる?」

女性:「そんなことは無いと思うけど」


男性:〇〇は、あまり感情を表に出さない。

男性:ふと、何を考えてるんだろうって、

男性:思うときもある。

男性:でも、〇〇と居ると、落ち着くし、

男性:なんでも話せるし、楽しい。

男性:僕は、

男性:やっぱり〇〇が好きなんだって、

男性:心から思う。


女性:また、やってしまった。

女性:本当は、彼とお揃いにしたくて、

女性:買った万年筆…。

女性:そんな気持ちを出せなくて、

女性:落ち着いた振る舞いをしてしまう。

女性:彼は、こんなにも、

女性:喜んでくれているのに…

女性:私は……


女性:なんて事を、思っていると、

女性:突然、彼は言った。



男性:「手を、繋いでもいいですか?」



女性:(アドリブで。返事はお任せします。)



 シナリオ

 素直になれない自分を嫌う

 に続く


改行修正:2024/2/3

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